2017/5/17~6/30 スペイン
【39日目】Arzúa → O Pedrouzo(19.3 km)
私は「北の道」という巡礼路を歩いていますが、昨日から巡礼者が最も多い「フランス人の道」と合流しました。巡礼者数が分かりやすく増え、雰囲気もガラリと変わりました。
今日のアルベルゲ(巡礼者宿)は新しくて快適そう。ゆっくり休めそうだわと喜んでいると、学生さんの団体がやってきて、あっという間にカオス状態に。床に散乱している荷物を踏まぬよう爪先立ちで歩いていると、それを見た学生さん、私に向かって「Buen camino」ですって。しらばっくれの最高のユーモアセンスです。おかげで明日も無事に歩けそうです。
残り20キロを切りました。
【40日目】O Pedrouzo → Santiago de Compostela(19.4 km)
間もなく、サンティアゴ・デ・コンポステーラです。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの町に入りました。本当にもうすぐです。
ジャジャーン!
大聖堂に到着しました~!
あら、工事中みたいですね。
中に入りましょう。
中央上に、ボタフメイロ(botafumeiro、振り香炉)があります。
正直なところ、大聖堂に到着したこと自体については、あまり心が動きませんでした。
「あ、着いた」、そんな程度でした。
ですが、すぐに立ち去る気にはなれず、しばらく美しい大聖堂を眺めていました。
すると、この巡礼を「いつの日かしてみたい」と思い始めた頃の自分が思い出されました。
そのとき抱いていた「いつの日かしてみたい」という思いは、実は、シンプルなものでなく、少々複雑なものだったと記憶しています。
どんなふうに複雑だったかと言えば、例えば、こんな感じです。
・こんな大きな夢、こんな私が本当に持っていいの?(…身の丈に合っていないんじゃない?)
・私ってば、なんて大胆なコト考えているの?(…冷静に現実に戻りなさいよ)
・こんな凄いことする人に、こんな私がなってもいいの?(…こういうことは凄い人しかしないよ、フツー)
今振り返ると、自分で自分の夢に制限を掛けているようです。
それでも、あのときの私は、勇気を振り絞って、その制限を振り払って、「やってみよう」と決断しました。大きな一歩を踏み出したのです。
行動を起こすことより、やるぞと決断することほうが、難しい場合もあります。何故なら、やるぞと決断するまえに、「どうせ無理」などと言って、実現する方法を考えることなく、夢を消してしまうことがあるからです。
今こうして巡礼を成し遂げ、大聖堂を見上げていたら、あのときの私が隣にいるような錯覚に陥りました。
どこかでビクビクしながら、それでもゾクゾクを抑えきれずに、やるぞと決断した、あのときの私です。
私は、あのときの私に対し「えらいぞ」と声を掛けたくなりました。
そして、もしかしたら、今の私は、あのときの私の力になれたのではないかという気がしてきました。
そして、それは、私にとって、かけがえのない喜びだと気付きました。
なんだか、嬉しくて嬉しくて、涙が止まらなくなりました。
さて、一応、巡礼の証をもらっておきましょう。コンポステーラ (La Compostela、巡礼証明書)は、巡礼事務所でもらえます。
クレデンシャル(Credencial、巡礼手帳)を提示して、巡礼してきたことを確認してもらいます。ちなみに、証明書発行の条件は、徒歩の場合、サンティアゴ・デ・コンポステーラの手前100キロを歩けばいいのです。800キロ歩かなくてもいいのです(私は歩きたかったので歩きましたが)。
証明書をもらい、アイスクリームを食べながら、宿へ行きました。なんとなく入ったアイスクリーム屋さんなのですが、これがビックリするほどの美味しさでした。Heladería Sotto Zero Santiagoというお店です。
宿に入って記念撮影。焼けたなぁ。
巡礼はまだ続きます。
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