2017/5/17~6/30 スペイン
カンタブリア州に入りました!
バスク州からカンタブリア州に入りました。歩き始めて200キロ。まだまだ道のりは長いですね。
【11日目】Pobeña → El Pontarrón(27.4 km)
いきなりの階段です。長いなぁ…。
コンクリートの舗道は硬いので、足に負担がきます。特に下り坂。あまりの痛みで涙が出てきます。牛に見られてしまったようです。
「痛い、痛い」と泣きながら歩いていると、救世主が現れました。斜め前にいる男性です。
永遠の29歳・スペイン人マーシーです♡
救世主マーシーは、泣きながら歩く私に、まず自分のストック1本を貸してくれました。私は登山でもストックを使わないのですが、ストックを使って坂道を下ると、こんなにも脚が楽になるのだと初めて知りました。本当に救われました。
こちらは、854キロに及ぶ巡礼で最も辛かった下り坂です。救世主マーシーのストックがなければ、私は自分の脚で下るのを諦め、お尻をついて下ったかもしれません。
次に、救世主マーシーは、私を元気づけるためのゲームを始めました。ルールは簡単。すれ違う人から、巡礼の挨拶である「¡Buen camino!(良い巡礼を)」と声を掛けられたら大いに喜び、声を掛けられなかったら大いに悲しむというゲームです。
スペイン語だけを話すマーシーと、スペイン語を全く理解しない私。こんな組み合わせの二人ですが、このゲームは非常に盛り上がりました。喜びや悲しみを表現する互いの演技力が、また新たな笑いを生みます。身体全体を酷使して歩き続けているはずなのに、ゲームをすればするほど元気になっていきます。一番使った筋肉は、おそらく腹筋でしょう。
いろんな話もしました。サン・セバスティアンではバルに行った?あそこでは、ビール飲んでピンチョス食べて、またビール飲んでピンチョス食べて、の繰り返しがいいんだよね~、等々。
昼食時間も笑いに休憩はありません。
写真撮るよ~というと、はしゃぎ始めるおじちゃん。
はしゃぎ続けます。
もう行きますよ。
救世主マーシーは、突然「上を向いて歩こう」のメロディーを歌い始めました。以前出会った日本人から教えてもらったそうです。「上を向いて歩こう」は、私の世界旅のテーマソング。数々の思い出があります。ペルーのマチュピチュ帰りに流れてきて涙が止まらなくなった思い出や、タンザニアで「淋しくなったらこの曲を思い出して」と英訳しながら教えた思い出、自分が旅の途中で悲しくて悲しくて仕方がなかったときに口ずさんだ思い出、等々。今日は、この陽気な救世主マーシーと一緒に歌いながら海沿いを歩きました。死ぬ間際、この曲を思い出せたら、私は幸せだろうな、なんて思いました。
そして、笑いをもたらしてくれる人って、本当に愛おしくて有難いと思いました。巡礼中の宿で最もパーソナルスペースが狭かった寝床で、私は感動の涙を流しながら、幸せな眠りに就きました。
【12日目】El Pontarrón → Laredo(20 km)
霧の中を歩きます。暑くないので快適です。
住宅地を抜けます。ここ数日、膝が痛くて痛くて仕方がありません。ですが、足にはマメが一つもできていないし、靴擦れも筋肉痛もありません。丈夫にできてるなぁと感謝です。
1ユーロ自販機です。ハモンにチョリソー、チーズ、バゲットまで売っています。
【13日目】Laredo → San Miguel de Meruelo(20.6 km)
今日は重い靴を脱いで、砂の上を歩きました。海の水の冷たさを感じた瞬間、辺りの世界がより大きく広がっていくような開放感で満たされました。
途中、こんなボートでの移動もありました。
街に入ってのお楽しみ。いつもは目で楽しむだけだけど、今日は舌でも楽しんじゃいましょう。
【14日目】San Miguel de Meruelo → Güemes(8.4 km)
今日のアルベルゲ(巡礼者宿)La Cabaña del Abuelo Peutoです。ミーティングの時間もありました。
こちらの建物は何だろうと中に入ってみると…
瞑想室でした。
こちらは資料部屋です。巡礼に関する資料を閲覧することができます。
日本の巡礼路として、四国のお遍路さんが紹介されています。巡礼の途中、ほかの巡礼者とお遍路さんや熊野古道の話題になったことが何度かありました。
穏やかな時間が流れます。
Camino del Norte(北の道)の地図があります。今までの振り返りとこれからの予習。
カンタブリア州の巡礼2へ続きます。
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