2015/4/29~5/13 モロッコ
モロッコの皮なめしといえば、フェズの「タンネリ・ショワラ」が有名ですが、マラケシュの皮なめし職人地区にも足を運んでみました。あまり治安の良い場所ではないとのことですので、胡散臭い人は無視して向かいましょう。
メディナのスークを抜けて
メディナ(旧市街)のスーク(市場)の端までやってきました。スーク内は、このように日光を遮る簾の屋根があり、暑さが緩和されています。
ひとたびスークを抜けると、簾の屋根はなくなり、直射日光を浴びることとなります。乾燥地帯の日向と日陰の体感温度の差を感じました。
暫く歩いていると、ニオイがしてきました。なめし工場に近づいているのでしょう。
なめしたばかりの革です。「なめし」とは、皮を革にする作業です。
先程「ニオイ」と書きましたが、厳密に言いますと、それは「匂い」ではなく「臭い」です。それも耐えがたいほどの強烈な臭い…。
臭い消しにフレッシュミント
強烈な臭いにもう耐えられない、引き返そう、と思っていると、ミントの葉を手渡されました。
どうやら、ミントの香りで緩和する(誤魔化す)ようです。
この強烈な臭いはそんなもんじゃ誤魔化せないでしょと思いつつも、無いよりは有ったほうが良さそうなので、チップを手渡し、もっと頂戴とねだって、大量のミントを受け取りました。
大量のミントで鼻を覆うようにして、続行です(画像は穏やかな気持ちで撮影したスークのミント)。
とはいえ、やっぱり耐え難いんです。暑いし、臭うし、もう限界かも…。
皮なめし工場に到着
もう限界かも…と思っていると、ありました! 皮なめし工場!
小規模ながら、写真で見たことのある景色です。
とはいえ、写真で見たことのある景色を目の前にしても、やっぱり強烈な臭いから逃れることはできません。一瞬たりとも臭いのことを忘れた瞬間は訪れませんでした。
炎天下の中、作業している人がいます。過酷な環境下での重労働にも関わらず、熱心に作業をしています。敬意を表さずにはいられませんでした。
工場を後にすると、皮革を運ぶロバがいました。
よく見ると、毛が残っています。なめす前の皮の状態です。毛を取り除く作業も大変そうです。
ここで感じたことは、「もう私、革製品には興味が湧くことはないだろう」ということです。もともとあまり興味のあるほうではなかったのですが、正直なところ、ここで見た光景は生々しく、私にとっては刺激が強すぎたようです。
ちなみに、臭いの原因は、皮の腐敗した臭いと、皮を柔らかくするために使われている鳥の糞だそうです。
モロッコの機織り
皮なめし職人地区へ向かう途中、機織りをする人たちに出会いました。
私が入るなり照れ始めた男の子。
スーク(市場)を出た辺りから声を掛けてくる人たちは、正直なところ、胡散臭い人だらけでした。しかし、こちらで出会った人たちは、皮なめし工場と同様、生真面目に働いていました。
モロッコでは、機織りは主に男性の仕事のようです。
モロッカンラグはこのように作られているのですね。
マラケシュの皮なめし職人地区やその周辺は、確かに治安は良いとは言えませんでした。ですが、皮なめしや機織りに従事する人たちは生真面目に働いていました。胡散臭いのは、「自称ガイド」の人たち。強引でしつこい。
こういう人たちがいるから、モロッコは「世界三大ウザい国」の一つなんて言われてしまうのかもしれませんね。
>> 続きましては、モロッコのグルメ情報 その1です。
─ マラケシュ ─
(3) 世界最大スークを歩く (4) 皮なめし職人地区
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