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執筆者の写真Tomoka Miyata

英語も「捨てる」で得る


ブレーキを外して前へ進む


旅を始めた当初、私は英語に自信があったわけではありません。

何故なら、大学を卒業してから英語を話す機会は殆どなかったからです。


しかし、世界三周半を終えた今は、英語に対して過度な抵抗は持っていません。

(難しい内容についてはまだまだ勉強が必要ですが、ホントに)


その理由は、「勉強して上達したから」でも「単語数が増えたから」でもありません。


"旅で得たのは「捨てる」ことだった"と以前書きましたが、英語も、要らないものを捨てることで得られたものの一つです。


では、捨ててきた要らないものとは何か?


「恥ずかしいなぁ」とか「通じないかも」とか「聞き取れなかったらどうしよう」とか「大して話せないくせにって思われたらイヤだな」とか。


つまりは、「自信のなさ」や「カッコつけ」です。


比較的これらはすぐに手放すことができました。


何故なら、恥ずかしがってモジモジしたり、カッコつけて気取ったりしていても、仕方がないからです。伝えなければ、飛行機にも乗れないし、宿にも泊まれません。


まずは、「自信のなさ」や「カッコつけ」を取り除くことが大切。

ブレーキを踏みながらアクセルを踏んでも、なかなか前進しませんからね。



大切なのは「伝えたい気持ち」


次に気付いたのが、正しく英語を話すこと以上に大切で必要なのは、「伝えたい気持ち」ということです。


正しい単語が出てこなければ話せないのかといえば、そうでもありません。知っている単語で言い換えを試みてもいいし、絵や図、ボディランゲージで挑戦してみてもいい。拙い英語でも、必死で伝えようとしていれば、相手は耳を傾けてくれるものです。


ちなみに私は絵を描くことが得意ではありません。ですが、あえて絵を描きます。

何故なら、私が絵を描くと多くの人が「これは何だ!?」と笑い始めます。そして打ち解けます。打ち解けると通じ合いやすくなる。作戦大成功です。



インド英語に触れて

インド鉄道にて
インド鉄道にて

インドに夢中だった頃の話。

私はインドを深く知りたくて、インド訪問の際は多くのインド人に話しかけていました。


インドでは英語を話す人が多くいます。何故なら、インドは多言語国家。同じインド人でも互いに言語が違うと通じず、そんなときは英語で話をするからです。


そのときに気付いたのが、インド人の英語は発音に強いクセがあるということです。


例えば「water」。ウォーターではなくウォータ

「hamburger」は、ハンバーガーではなくハンバガー

「park」は、パークではなく

「number one」は、ナンバーワンではなくナンバワン

つまり、「r」を「ル」と発音するのです。


また、「θ(th)」を「t」、「ð(th)」を「d」と発音します。

「thank you」はンキュー、「that」はットゥ


私も試しに「タンキュー」と言ってみました。

すると、笑ってしまうほど、話がスムーズになりました。


あー、インドではこちらが正解なんだ。

コミュニケーションが目的ならば、ネイティブの発音が必ずしも正解ではないんだ。


これは大きな気付きでした。


私は英語のテストの点数を上げるために英語を話しているのではなく、コミュニケーションを取るために英語を話している。ならばもっとインド英語を話そう!


「インディア イズ ナンバワン!」

「ウォータ プリーズ」


私はインドにいるときはインド英語を話します。

そして、多くのインド人から、君の英語は上手だねと褒められます。



機会を逃さぬように


ある町で、ある国の女の子に出会い、一緒に旅をしました。しかし彼女のワガママに付き合いきれず、途中で旅仲間を解消したことがあります。モヤモヤを残したまま旅を続けていると、イタリア人の男の子と知り合い、彼に私のモヤモヤを話しました。すると「僕も同じような経験があるよ」と言って、私のモヤモヤを笑い話に変えてくれました。


そのとき、私は彼に「私のモヤモヤを取り除いてくれてありがとう」と伝えたかったのですが、ピッタリの英語が見つからず、伝えることができませんでした。


今振り返ると、たとえ自分の気持ちを表すピッタリの英語が見つからなくても、お礼を伝えたかったと思います。


旅は日常生活以上に「一期一会」を感じることがあります。二度とその機会は訪れません。その機会を逃さぬよう、細かなニュアンスにこだわるのは減らそうと思いました。


それ以降、自分の気持ちを表現するのがシンプルになったような気がします。

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