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  • 執筆者の写真Tomoka Miyata

Argentina ブエノスアイレスの闇両替

2015/4/22~28 アルゼンチン


「闇両替」って?

2015年4月当時「アルゼンチンでの両替は闇で」というのが一般的でした。


闇。つまり、闇市場のことです。

英語で、Bleck market。スペイン語で、Mercado negro。スペイン語は英語の直訳なのですね。


アルゼンチン経済は変動が激しく、これに伴い、自国通貨であるアルゼンチン・ペソも極めて不安定。よって、アルゼンチン・ペソの信用度は非常に低く、アルゼンチン国民は、明日紙屑となってしまうかもしれないアルゼンチン・ペソを持つよりも、安定したハードカレンシーである米ドルを持ちたいと考えます。


これにより、「公式レート(dólar oficial)」と「闇レート(dólar blue)」が存在。正式なライセンスを持たない人たちが「闇レート」で両替商を行っています。


ちなみに、闇レートを表す「dólar blue」の「blue(青)」は、「黒(=違法)とまではいかないけれど、正式なライセンスを持たない人たちが商いを行っているから、blue(青)」なのだそうです。へー、なるほど。とはいえ、どうしてazulじゃないの?という疑問も残りますが…。


話を戻しましょう。


何故「アルゼンチンでの両替は闇で」なのか。


アルゼンチンへ渡航し、アルゼンチン・ペソへの両替を必要としている我ら旅人からすると、この「闇レート」での両替は(不謹慎ながら)とても有利だからです。何故なら、米ドルが高く売れるため、公式レートより多くのペソを得られるからです。


特に、物価の高いパタゴニアを訪れる場合、多くの費用が必要となります。パタゴニアへ向かう前に、ここブエノスアイレスなどで有利にペソを入手しておくことは、費用を抑える上で重要と考える旅人が多いのです。



私にとっては恐ろしい響き…


当時の私にとって「闇」という響きは、決して足を踏み入れてはいけない、それはそれは恐ろしい響きを持つものでした。そんな恐ろしい響きの世界に、遂に私も足を踏み入れてしまうのです。まるで自分が汚れてしまうような、そんな気すらしました。


しかし、考えようによっては、滅多にない機会です。旅人経験値を上げる良いチャンスともいえます。それに何より、やっぱりお得に旅をしたいです。



意を決してチャレンジしてみることに


そんな矢先、以前旅で知り合った仲間が「最近どう?」とメッセージをくれました。私よりも経験豊富な仲間。直面している「闇両替」問題について相談してみました。すると、こんなアドバイスを頂きました。


まず、最新の公式レートと闇レートをチェックして、どのぐらいのレートならOKとするか決めておいてね。決まったら、100米ドル札、できればピン札を持って、フロリダ通りに向かおう。そして、そこで「カンビオ、カンビオ、カンビオ」って言っているおじさんを探して、話しかけてみて。カンビオ(cambio)っていうのは両替って意味ね。で、TOMOKAちゃんが話しかけたら、カンビオおじさん、たぶん数字を見せてくるから、そこから交渉開始。カンビオおじさんは何人かいるから、一人目で決めずに、何人かに聞いてみて。その中で、OKレートに見合った人がいたらOKして両替してもらって。もう一声って思うなら交渉してみて。注意点としては、お金を出すときや両替しているときは、お金から目を離さないこと。そこで騙そうとする姑息なヤツもいるから。


…アドバイスを聞いているだけでドキドキしてきます。本当に、この一連の流れを、この私がするの!?


とはいえ、チャレンジすると決めた以上、やっぱりしようと思います。「この通りにやれば上手くいく」という仲間の言葉を信じ、頭の中で幾度となくイメトレを繰り返します。


とはいえ、やっぱり怖いんです、私。


どうしようかな。挑戦しようかな。でもやっぱり怖いな。でもな。やっぱりな…。


宿で一人、あーだこーだとモタモタしていると、宿の仲間の一人がやってきて「ぼく、代わりに行きましょうか?」と言ってきてくれました。


一瞬の躊躇いもなく、お願いすることにしました♡


数時間後、私の米ドルは見事にアルゼンチン・ペソにカンビオされていました。


ちなみに、沢山のカンビオおじさんが出現するフロリダ通りは、こんな雰囲気です。

Calle Florida en Buenos Aires
Calle Florida en Buenos Aires


以上、まだまだ「ウブな旅人」だった頃のお話でした。

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