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執筆者の写真Tomoka Miyata

たぬきケーキ小旅行


老舗御菓子処「翁堂本店」さんのたぬきケーキ


仕事帰りにふらりと立ち寄った老舗御菓子処「翁堂本店」さんで、懐かしの「たぬきケーキ」に遭遇しました!困ったような、照れているような、はたまたしらばっくれているような…。そんな表情がたまりません。

翁堂さん「たぬきケーキ」
翁堂さん「たぬきケーキ」

コーティングチョコレートの下は、スポンジケーキとバタークリームです。


大人のたぬきケーキ」なるものもあります。下の画像の右上です。こちらはラム酒がきいています。本当にたっぷりきいています。

翁堂さん「たぬきケーキ」「大人のたぬきケーキ」ほか
翁堂さん「たぬきケーキ」「大人のたぬきケーキ」ほか

「かわいい」「懐かしい」を連呼していたら、お店の方が「たぬきケーキ」にまつわるお話を沢山してくださいました。


「たぬきケーキ」が誕生したのは今から60年前。日本中にファンがいて、遠方から買いに来る人もいるそうです。

東北地方から買い求めに来たあるお客さんは、無事にたぬきケーキを自宅まで持って帰りたいと、二重にした発泡スチロール箱に大量の保冷剤を一緒に詰めて持って帰ったところ、あまりの箱の大きさに、家族から「魚でも買ってきたの?」と勘違いされたそう。「それがあまりにも可笑しくて」とそのお客さんから、後日お店に報告があったそうです。


一つ一つ手作りだから一つ一つ顔が違うし、日によっても違うのよ。職人さんの気分も影響しているのかもね」。…そう伺って見てみると、確かに一つ一つ表情が違います。愛着がわいてきます。


たぬきケーキの仲間たち


こちらは「大人のヒヨコケーキ」。ヒヨコちゃんです。一つ一つ、表情が豊かです。好みの表情を選ぶのも楽しいですね。


こう見えて、お味はしっかり大人の味。「大人のたぬきケーキ」と同様ラム酒たっぷりです。

翁堂さん「大人のヒヨコケーキ」
翁堂さん「大人のヒヨコケーキ」

こちらは「どうぶつベイビー」。コアラ、ブタ、パンダ、あとは何でしょう?(笑)

注文の際は「〇個」ではなく「〇匹」なんですね。

翁堂さん「どうぶつベイビー」
翁堂さん「どうぶつベイビー」

こちらは「むぎちゃん」と「チョコちゃん」。姉妹のようです。ワンちゃんかしら。

翁堂さん「むぎちゃん」「チョコちゃん」
翁堂さん「むぎちゃん」「チョコちゃん」

ゆる~い表情「ラッコちゃんケーキ」

翁堂さん「ラッコちゃんケーキ」
翁堂さん「ラッコちゃんケーキ」

「機関車に乗ったたぬきのケーキをリクエストされ作ってみたら、ものすごく好評で、次はクリスマス用に白い機関車にしてねとまたリクエストをもらったのよ」と。

翁堂さん「たぬきの機関車ケーキ」
翁堂さん「たぬきの機関車ケーキ」


愛され続ける「ミミー」サブレ


こちらは、翁堂さんのマスコットキャラクター「ミミー」のサブレです。


翁堂さんホームページ掲載「翁新聞」によると、モデルの「ミミー」はオウムで、なんと実在したそうです。1973年、74年に撮影された画像が載っていました。


そして、なんと、本名は「太郎」というそうです。


私はずっとミミーは女の子だと思っており、愛着を込めて「ミミーちゃん」と呼んでいました。なのに、なのに、ミミーは男の子…。衝撃的です。


さて、そんな「ミミー」のサブレですが、お味はアーモンドとバターの香りがきいていて、万人から愛される味だと思います。もちろん私も大好きです。薄くて割れやすいのですが、大切なミミーが割れぬよう、しっとり触感の包装袋を丁寧に開く作業は、まるで何かの儀式をしているような気すらします。

ホームページに「今、なぜか人気です」と書いてありましたが、この可愛さとこの美味しさならば、いつの時代も人気だと思います。



「たぬきケーキ」の絵本


たぬきケーキのモチーフになった絵本があるのよ」と、お店の方が奥から出してくださいました。丸山太郎さんの「たぬきの東京見学」です。

丸山太郎さん「たぬきの東京見学」
丸山太郎さん「たぬきの東京見学」

丸山太郎さん「たぬきの東京見学」
丸山太郎さん「たぬきの東京見学」

丸山太郎さん「たぬきの東京見学」
丸山太郎さん「たぬきの東京見学」

丸山太郎さん「たぬきの東京見学」
丸山太郎さん「たぬきの東京見学」

丸山太郎さん「たぬきの東京見学」
丸山太郎さん「たぬきの東京見学」

丸山太郎さん「たぬきの東京見学」
丸山太郎さん「たぬきの東京見学」

昭和18年に丸山太郎さんが子供のためにと書いたもののようです。ひょうきんなたぬきのイラストに心が和みます。そして、リズミカルな文章は思わず音読したくなります。日本語の響きは本当に美しいです。読み終えると、まるで遠い美しい世界から帰ってきたようでした。


ふらりと立ち寄った「翁堂本店」さんで小旅行。

旅はどこででも楽しめることを実感したひとときでした。だから旅は止められません。

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