イベントを開催しました
2024年7月14日、 「一緒に世界を旅しませんか?」at 城町文庫 vol.31 を開催しました。皆さま、楽しい時間をありがとうございました。参加費の一部を認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金の「ウクライナ支援」に寄付いたしましたので、ご報告いたします。
アポロン様とアルテミス様
今回は、ギリシャ神話のオリュンポス12神の中から、アポロン様とアルテミス様をご紹介いたしました。お二人(柱)は双子の神様で、お父様は最高神のゼウス様です。
アポロン様
完璧な容姿のアポロン様。調和の取れた美の象徴。キラキラと輝くアポロン様は、そのお姿通り「光明の神」であらせられます。「光明」とは、無知蒙昧な闇を破る光のこと。文化的で理性的な領域を司るアポロン様は、古代ギリシャの象徴といえましょう。その他、弓術、音楽、芸術、医術、癒し、疫病、突然死、神託、予言、牧畜などなど、職能は多岐にわたります。
完璧と思われるアポロン様ですが、実は、こんな一面もあります……。
アポロン様 恋愛遍歴
実はアポロン様、恋愛が得意ではありません。得意でないどころか、超下手っぴ野郎です。
数あるアポロン様の恋愛ストーリーの中から、ここでは一つのお話をご紹介しましょう。
アポロン様とダプネ
エロス(キューピッド)の矢を放たれたアポロン様と、ニュンペー(精霊)のダプネ。アポロン様には相手を好きになる金の矢を、ダプネには相手を嫌いになる鉛の矢が射られました。悲劇の始まりです。
ダプネに恋をしたアポロン様は、猛烈に自己アピールします。
……私はスゴい神なんだ。予言もできるし、竪琴も上手い。広い領地も持っているし、父親は大神ゼウスだ。どうだ、スゴいだろ!
しかし、当然ながら、鉛の矢を射られたダプネには響きません。響かないどころか、気持ち悪がられます。嫌いな相手からのアピールなんてキモいだけですよ、アポロン様。
聞いてもらえなくても、アポロン様、追いかけます。
追って追って追いまくるアポロン様。これはもう、ストーカー確定でしょう。
追いつかれてしまったダプネ。
「こんな男に触れられるくらいなら、この姿を変えてーーーー!」
願いが叶い、月桂樹となったダプネ。
諦めきれないアポロン様は、月桂樹の葉を手に取って自身の髪に飾りました。そして、月桂樹を自身の聖樹としました。
月桂樹といえば、名誉や権力の印として与えられた月桂冠が連想されますが、その背景には、こんなお話があったのです。
アポロン様 残虐事件
続いては、アポロン様の残虐な一面をご紹介しましょう。
ある日、知恵と戦いの女神でお馴染みのアテナ様(工芸の女神でもあります)が、ダブルリードの木管楽器アウロスをお作りになり、ピープー吹いていました。それを見た他の神々が大笑い。理由は、アテナ様の頬がぷーっと膨らんで、面白い顔になっていたから。もちろん、アテナ様、ブチ切れです。
ブチ切れアテナ様は、そのアウロスを川に捨てます。しかも呪いをかけて……。
呪われたアウロスは、半人半獣の自然の精霊マルシュアスに拾われます。マルシュアスは呪いがかけられているとも知らず、アウロスに夢中となり、人々を魅了する腕前となりました。
人々に賞賛されるマルシュアスの噂は、音楽の神アポロン様の耳にも届きます。
「アポロン様級だ!」「アポロン様以上だ!」
……これはマズいです。
悪い予感的中。アポロン様、ブチ切れです。
「対決しようではないか。勝ったら何をしてもいいってルールで」
キタラ(竪琴)のアポロン様 vs アウロスのマルシュアス 音楽合戦です。
結論をいいますと、勝者はアポロン様だったのですが、実はこの音楽合戦、いわゆる「出来レース」だったのです。審査員はアポロン様主宰の音楽集団のムーサたち。みな、アポロン様側の女神たちだったのです。ズルいよ、アポロン様。でもアポロン様らしい。
「さて……、勝ったら何してもいいってルールだったな」
勝利者アポロン様が敗者マルシュアスに対してしたこと、それは……
皮剝ぎ。
木に括り付けて、皮をペリっと……。あー、なんと恐ろしい。
アポロン様のこの顔!あー、恐ろしい。
こちらのアポロン様は生き生きしています。恐ろしい。
……こんなアポロン様ですが、皆さんはアポロン様を愛せますか?
以上、アポロン様でした。
アルテミス様
アルテミス様については、クイズからスタートです。
アルテミス様の英語のお名前は、いったい何でしょう?
1.ジュノー
2.ダイアナ
3.ミネルヴァ
4.ヴィーナス
正解は、
2の「ダイアナ」でした。
1の「ジュノー」は、最高神ゼウスの正妻で結婚を司るヘラ様のこと。ジューンブライド(June bride)のジューンはヘラ様のお名前に由来します。
3の「ミネルヴァ」は、知恵と戦いの女神アテナ様。4の「ヴィーナス」は、愛と美と性の女神アプロディテ様のことです。
アルテミス様のご紹介として、イベントでは、境界線を越えてしまった可哀想な狩人アクタイオンとのお話をご紹介しました。ホームページでは、またの機会にご紹介しましょう。
旅で出合ったアルテミス様
「世界旅の中で、アルテミス様を身近に感じられた場所はあったのだろうか?」と、膨大な枚数の写真を漁っていると、意外な場所が見つかりました。それは、こちらです!
中東ヨルダンです!
首都アンマンから約50キロ、車で1時間ほどの場所にある「ジャラシュ(ジェラシュ)遺跡」に、アルテミス神殿がありました!コリント式の柱が美しかったー!
ジャラシュ(ジェラシュ)には、ほかにも色々な遺跡がありました。こちらはゼウス神殿です。
こちらは、列柱通り。
ニュンペーを祀るニンファエウム。
楕円形のフォルム(広場)。
南の劇場。「ヨルダンなのに、古代ローマだー!」と大興奮でした。
遺跡の向こうに現代の建物。お気に入りの一枚です。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
まだまだギリシャ神話のお話は続きます。楽しみにしていてくださいね。
それまで、また、いっぱい勉強しておきます。
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