2018/4/20~26 スウェーデン
世界一長い美術館
スウェーデンの首都ストックホルムの地下鉄は、全長105.7キロ。それぞれの駅構内は、個性的なアートな世界が広がっています。
7日間有効のトラベルチケットを買っていたので、じゃんじゃん回って、様々な駅を見に行くことにしました。
ちなみに、地下鉄はスウェーデン語で「Tunnelbana(トゥンネルバーナ)」。Tのマークが地下鉄駅の目印です。
ストックホルムの地下鉄は3つの路線があり、青・赤・緑の3色で区別されています。
[青]ブロー線 Blå linjen(Blue Line)
[赤]ローダ線 Röda linjen(Red Line)
[緑]グローナ線 Gröna linjen(Green Line)
こう見ると、スウェーデン語と英語って似ているんですね。 それでは、いくつかピックアップして、アートな駅をご紹介します。
T-Centralen(T-セントラレン駅、地下鉄中央駅)[青][赤][緑]
まず紹介したいのが、ブルー・レッド・グリーンの3つの路線が乗り入れる、ストックホルム中央駅です。
巨大な洞窟のアートです。
白い岩肌に青い葉のモチーフが美しいです。
照明も強弱をつけて、このアートを引き立てているようです。
こちらは影絵のようです。
作業している人がいて、影となって映し出されているようです。
3つの路線が交わる駅で広いのですが、時間を忘れて夢中で歩き回りました。
Solna centrum(ソルナ・セントラム駅)[青]
次にご紹介するのが、真っ赤な色が印象的な、こちらの駅です。
ものすごいインパクトです。おどろおどろしい色。
ですが、中に入ると緑が加わりました。印象がガラリと変わります。
赤は夕日を、緑は森を表しています。
あら、メルヘンチックなものが。
近寄って見てみましょう。
Stadion(スタディオン駅)[緑]
こちらは、レインボーカラーの美しい駅。パーっと明るい気分になります。
駅名「スタディオン」にもあるように、ここは陸上競技場のある駅です。
陸上競技場は1912年のストックホルム・オリンピックで使われたそうです。
地下に咲くビビッドカラー花々です。
出口を示す矢印までもデザインされていて、目を引きます。
Rådhuset(ロードヒューセット駅)[青]
自然の岩盤をそのまま利用した「有機的建築」の駅です。
有機的建築(organic architecture)とは「環境に合わせた建築」のことだそうです。
車両の色とのコントラストまでも、オシャレに見えます。
洞窟風の駅の中では、最も自然な色に近い印象です。
Kungsträdgården(クングストラッドゴーダン駅、王立公園駅)[青]
スウェーデンのアーティスト、ウルリク・サミュエルソン氏設計の駅です。
かつて存在した宮殿をモチーフにデザインされています。
地下鉄の駅にいることを忘れてしまいそうです。
1950~60年代の中心部再開発の際に発見された遺物も展示されているそうです。
濃緑・エンジ・白のフロアにも目がいきます。
車両の中の明るさが現実の世界へ連れ戻してくれるようです。
壁も同じデザインのタイルが使用されています。
同じ駅内でも、場所によって印象が異なります。
重機までもアートの一部に見えるようです。
Fridhemsplan(フリードヘムスプラン駅)[青][緑]
小型帆船のオブジェのある駅です。
こちらはコンパスでしょうか。
グリーンラインを示す色です。
絵筆から絵の具を飛ばしたようなデザインです。
Tensta(テンスタ駅)[青]
移民が多く暮らすテンスタ駅。鳥が並び、その下にはセイウチ。可愛いです。
向こうにはマンモス像が見えます。
向かって左は何が描かれているのでしょう。
どうやら、トナカイと人のようですね。
Amore(伊:愛)ESPERANZA(西:希望)でしょうか。
おそらく様々な言語で「団結」を示しているのでしょう。英語は、SISTER AND BROTHER HOOD と書いてあります。
様々な言語が描かれているのは、様々な民族の人たちがここの駅周辺に住んでいるからのようです。
温かみのある木のイラストです。
Bagarmossen(バガルモーセン駅)[緑]
すっきりシンプルです。
他の駅とは異なる印象です。新鮮です。
Hallonbergen(ハロンベルゲン駅)[青]
電飾の美しい駅です。
電飾のエスカレーターです。
エスカレーターを抜けたら、メルヘンの世界が広がっていました。
幼稚園に足を入れたみたいです。
子どものいたずら書きのようにも見えます。
Hej(こんにちは)。ヘイと読みますが、英語の「Hey」のようにカジュアルな挨拶ではなく、正式な挨拶として使えるようです。
HUND(犬)、HÄST(馬)、FÅR(羊)、KATT(猫)。スウェーデン語の勉強になります。
Odenplan(オーデンプラン駅)[緑]
電光アートの駅です。カッコいいです。
エスカレーターを降りるとプラットフォームに出ます。
プラットフォームはシンプルです。
Västra Skogen(ヴェストラ・スコーゲン駅)[青]
こちらの駅では、タイルアートの世界が広がっています。
様々な色が目を引きます。
Solna strand(ソルナス・トランド駅)[青]
プラットフォームに青空と雲の立方体があります。地下深くに、切り取られた青空。面白いです。
Thorildsplan(トーリッズプラン駅)[緑]
分かりやすく楽しい駅です。ゲームの世界ですね。マリオのスーパーキノコだ!
雲もマリオっぽい。左の緑はスペースインベーダー?
ホント、楽しいです♪
Östermalmstorg(エステルマルムストリ駅)[赤]
スウェーデンの女性アーティスト、シリ・デルケルトさんが手掛けた駅です。女性の権利や世界平和を表しているそうです。…が、なぜ、恐竜?
うーん、難しいですね。
こちらは女性の権利や世界平和を表していると理解できますね。
確かに「歌」は平和の象徴として分かりやすいです。
Danderyd sjukhus(ダンデリッド・フックヒュース駅)[赤]
3人のアーティストによるデザインの駅。こちらはスウェーデンの女性アーティスト、クララ・カルストロムさんの作品です。
Gärdet(ヤーデル駅)[赤]
こちらは、ポップですね。
何を表現しているのでしょうね。私には難解です。
うーん。難解です。
ん?
Tekniska högskolan(テクニスカ・ホグスコーラン駅)[赤]
KTH(王立工科大学)のある駅です。カッコいい!
反対側から。
時間帯によっては、学生さんでいっぱいになるのでしょうね。
こんなカッコいい駅で降りる学生さんがちょっと羨ましくもあります。
5つのプラトン立体(正多面体)のオブジェがあります。
それぞれ、五大元素である、空気、火、土、水、そしてエーテルを表しているそうです。
Universitetet(ユニバーシテット駅)[赤]
ストックホルム大学のある駅です。こちらは、スウェーデン語で書かれた「世界人権宣言」です。
前文に始まり、第1条から31条まであると思われます。かなりのボリュームですね。
こちらは英語ですね。
こちらは、スウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネ氏の旅行記をモチーフにしたタイルアートです。
Mörby centrum(モルビー・セントルム駅)[赤]
レッドラインの終着駅です。
スウェーデンの女性アーティスト、Karin Ekさんデザインです。可愛い。
パステルカラーです。
建設中の写真もありました。
カッコいいです。
Karlaplan(カーラプラン駅)[赤]
タイルアートとモノクロの世界です。
これは何だろう?と見入ってしまいます。
どの駅も個性的で飽きることはありませんでしたが、我ながら、よく歩きました。
ちなみに、車両の中はこんな感じです。通勤・通学時間以外は空いていました。
以上、ストックホルムの地下鉄アートでした。お付き合い、ありがとうございました。
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